2002年11月12日(火曜)の明け方に見た夢は、こんな話である。
陣痛が来たから、予約してあった個人病院に入院する。ところがその病院のウリであるLDR室(注)は満室。よく分からないが、ホールの隅っこに行かされ、なぜか出産を無事にしたらしい。どんな出産だったか、あまり覚えていない。安産だったらしい。出産は大変だったから、そのあたりの記憶がないのかな?と自分で疑問に思う。
体調もよくなったので、パパと生まれた子供を見に行くことにする。新生児室に入ると、白衣の男性が来る。
「ああ、お子さんを見に来られたのですね、こちらです」 と案内してくれる。なんやら新生児室というより、大きな実験室のような部屋だ。男性は大きな水槽の前に案内する。
「ほら、あのエサを食べているのが、あなたのお子さんですよ」 水槽の下のほうで、大きな黒い固まりに、大口を開けてかぶりついている魚。さかな!?
ーちょっと待て、私が産んだのは人間ではなかったのか??
「ああ、こちらでは人間になって産まれてるくるのは、全体の2〜3割です。だいたいは魚類が多いですね」
ー私は魚を産んだのか? 人間だと思っていたのに・・・。
ふと気づくと、水槽の周りに何人かの母親らしき人たちが、我が子を見ているようだ。 私も水槽の中を見る。サメみたいやら、ひらひらした魚やらいろいろいる中に、我が子がいる。これは、見たことがある。。
そうだ!トラフグだ! 悠々と泳ぐ他の子供たち(魚たち)にまじって、ひたすらエサを食べているトラフグ。 そして水槽の隣には柵があって、羊やら山羊がいる。そして母親たちが見ている。 ーああ、せめて魚類ではなくて、ほ乳類状態になって産まれてきてくれてたら、抱っこもできるのに。 第一トラフグでは、どうやって抱っこしたり、風呂入れたりするんだ?
いやまて、会社にどう報告するのだ? トラフグ出産で育児休暇は取得出来るのだろうか? みんなになんて言ったらいいんだ?
案内をしてくれた男性が気の毒そうにこういう。 「大丈夫ですよ。とても人なつっこい魚ですから」
ーそれが一体なんの励ましになるんだろうか。 呆然とした私たちは、新生児室を後にした。
(注)LDR室 出産直前になると、陣痛室が分娩室に早変わりする部屋。分娩室まで歩いていかなくてもよい、産婦にとってありがたい部屋。 |